クリアした蒼き革命のヴァルキュリア。ゲームとしての感想なんかを。
どうもこのゲーム、めっちゃくちゃに叩かれているような状況らしいので、私は精一杯擁護していこうと思っています。
いいところもあるんやで。
ちなみに私はシリーズ前作の戦場のヴァルキュリアはPS3版を数年前に途中までプレイ済みです。
いいところ。
声優が良い。
アニメ好きや美声が好きな方にはとてもウレシイ、豪華なキャスティングになっていると思われます。
演技力が確かな声優さんがそろっているので、フルボイスのイベントシーンが売りのゲームとしては大変良いことかと。
あと、ストーリーがそこそこいい。
割と好きなお話でした。
復讐だ! 復讐してやる! → でも仲間の兵たちは死んでいく…先生も助けられない。復讐は正しいのか? → ユトランドの未来のために。復讐も完遂してやる! → 戦勝後、ユトランドが列強との覇権争いに進展しないよう、戦争の罪あることないこと全部かぶって処刑されるお。
うん。まあ良かったと思う。
…
他にいいところは…
声優が良いのです! 大事な事なので二度書きます!
他に…
声優が良いのです! 声優が良いのです! 大事な事なので何度でも(以下略
はい。というわけで気が乗らないのですが、ここからは微妙だった部分を挙げていこうかと。
グラフィック微妙。
人物に関しては表情のパターンが少な目に感じました。感情を激しく出すキャラクターが少なかったからそう感じたのかもしれませんけどね。
なぜか肌色が濃いピンク色に見えるシーンがある。特に女スパイの胸元。
イベントシーン。
声優のフルボイスでイベントが流れていく…のはいいのですが。
一つ一つの台詞を飛ばせない。早送りできない。
一応スキップ機能はあるのですが、シーン毎にスキップするので使うと重要な会話を見逃したりする。
でもって、このイベントシーンが長い。プレイ時間の5割くらいはイベントシーンなんじゃない?
もうちょっとうまくやれなかったのか。
ヴァナルガンドの隊員が戦死した場合、一部のイベント表示が変わるらしいんだけど普通にプレイしていて戦死者は出なかったので不明。
コミュニティ。
主にキャラクターを掘り下げる短めのイベント。
おそらく章ごとにキャラクターの出撃回数なんかが条件で開放されるのだと思う。
ヴァナルガンド女子回だけ全部見た。他は歯抜け状態。男キャラほとんど使わなかったからなあ。
全部見ようと思うと、全キャラで相応の出撃回数をカウントしないと無理っぽい。
DLCイベントは特典のヴァナルガンド結成と姫はらぺこのみ購入。
追加コンテンツの割にどうでもいいお話だった。
ショップ。
支配地域により販売物が変わる。
それはいいけど、ショップでは何一つ買わなかった。
ラグナイトはミッション報酬でもっといいのが入手できるし、BDU(部隊共通の防具)は一回作ってそれっきりだった。
ラグナイトのかけら交換は要するにガチャ。別にリアルマネーは関係ないんだけど、ハズレを引くとガックリくる。
回復アイテムなどの物資が有料販売。最前線で戦う特殊部隊・精鋭部隊なのに物資に金をとられる。そんな馬鹿な。傭兵とかじゃなくて正規の軍なんだぞ。いくら小国で経済封鎖されていたっていっても…。
回復アイテムなんかはミッションに持ち込み個数の制限があるので、金取るんじゃなくて毎回一定数自動補充にすればいいのに。
物資補給ではラグナアンプル(RP…いわゆるマジックポイントの回復アイテム)を数個くらいしか買わなかった。
サイドアーム強化。
大罪人の仲間の一人、バジルが経営する工場で新しいサイドアームを作れる。ストーリーの章が進むたびに強力なものを作れるようになる。
が…金をとられる。
おい、バジル。俺とおまえは仲間だよなぁ! しかもストーリーの中でバジルが「金は俺がいくらでも工面する」的な事を言っている。にも関わらず金をとられる。おいバジル。
上のショップのところでも書いたけど、いくらなんでも正規部隊の装備を自費で購入するってのはおかしい。バジルのような金を工面できる立場の仲間だっているのに。
だからこのゲーム、金の概念はいらなかったんじゃないかな。章が進むたびに勝手にバジルがサイドアームを強化してくれるって流れでも良かった気がする。
咒構武器の強化。
これもバジルの工場で強化。
FF10の成長要素と似た感じ。要するにスフィア盤方式。
たくさんマスがあって強化済みのマスの隣接したマスを次に強化できるようになる。
強化には所持しているラグナイトを消費して強化経験値を満たす必要がある。
これも少しわかりにくい。具体的にどのラグナイトでどれくらい経験値入るのかが。ランクが高くて追加能力が付与されているものほど数値がいいのはわかるけど。
そして普通にプレイしていると十分強化できるのはせいぜいが四キャラ程度。それ以上のキャラを強化しようと思うとめちゃくちゃラグナイトの稼ぎプレイが必要。
アムレートは主人公だけあって強制出撃が多いので彼の強化を優先で間違いはない。次がオフィーリア。
ラグナイトに関して。
これを咒構武器にセットすることによって魔法じみたパワー、スキルを発揮する。
ランクの高いものほど威力や性能が高くなるわけですが。
その分消費RPも多くなる。なので、ランクの低いものを連発した方が効率的には良く感じることもある。
ラグナイトのかけらに関して。
集めたかけらを軍本部でラグナイトに交換してもらうことが可能。なのだが、ガチャ形式。なにが出るかわからんぞい。
このゲーム、金の代わりにラグナイトのかけらの方を通貨っぽくしたほうが良かったかも。世界観的に。
戦闘に関して。
ルーシ帝国のある兵士はユトランドのヴァナルガンド部隊の戦いぶりをこう語った。
「ありゃバケモノの集団ですわ。
たった四人で戦場に突っ込んできて、ひたすら暴れまわるんですわ。
中にはドレスやヘソ出しの女の子なんかもいるんだが、見た目に惑わされちゃあいけません。
地雷を踏もうが大砲が直撃しようが、倒れることなく暴れまわるんです。土嚢があっても隠れるなんてしないんです。
そんで、強力なグレネードを放り、ロケットランチャーをぶっ放す。恐ろしいことに自分や仲間が範囲にいても、平気でグレネードを投げるんですわ。ありゃ狂ってる。
増援に来てくれた部隊にもすかさずロケット弾が飛んでいくんです。
咒機兵相手には密着して、剣や槍で狂ったようにガンガン殴り続けて破壊しておりました。どうなってんねん。
挙句の果てには雷を降らしたり、隕石を落としたり地震を起こしたりと、魔法のような攻撃を仕掛けてくる。
そんなバケモノどもなんで、最初はやる気があった帝国兵も震えあがり、あっという間に戦意喪失で腰砕けですわ。
連中はそんな弱った兵士にも容赦なく武器を振りおろし、グレネードを投げ、爆発させとりましたわ。
そのさまは悪鬼の集団でした。
だからルーシでは悪いことをした子供を叱りつけるときにはこう言って脅かすのです。
『悪いことするとヴァナルガンドが殺しに来るぞ』って」
このくだりは私が勝手に書いたものですが、だいたい戦闘はこんな感じになる。
序章体験版のときは突っ込んでいって通常攻撃で勝てたけど、本編はそれだけでは無理。てか面白くもない。
敵が4、5人くらい固まって出てくることが多いので、範囲を攻撃できるグレネードとロケットランチャーが便利なのです。操作キャラクターを切り替えてグレネード、ロケランを撃ち続けるのです。一度に複数を倒すと近くにいる敵が戦意喪失状態になって弱くなるのでそれも目的の一つです。
隊員全員の装備をフラググレネードとロケランに変更。姫様だろうとロケラン担いで出撃です。
制作側はこんな意図で設計したわけではないんでしょうけど、爆発物大盛りで暴れまわるとバカゲーっぽくて悪くないんです。
悪い点として書いていますが、こんな感じにアホみたいに大暴れする戦闘は割と楽しいです。これでもう少し無双チックにすれば悪いとは書かないんだけど。すべてが中途半端なので。
地雷は支援兵なら解除できるし銃で撃てば爆破解除できるのですが、けっこう無理やり突破しています。踏むとダメージと硬直です。戦ヴァルだと、対戦車兵以外は即ダウンしてた記憶がありますが蒼ヴァルだとダメージで済みます。
敵の増援。これが結構出てくるのですが、登場してから頭上にHPバーが表示されるまでは完全無敵状態なので、それまで攻撃は控えないといけない。地味に面倒くさい。
咒機。ロボット相手にも張り付いてガッツンガッツン近接戦をするのが楽。軽咒機は足とか本体とかまだるっこいこと考えずにとにかく殴る。重咒機は部位破壊とかかったるいことはいいからとにかく腹のラグナイトコアを殴る。それでOK
ラグナイトでのスキル・魔法。突撃兵のバスター系を好んで使っていました。他には範囲系の攻撃魔法。とにかく武器を強化して装備できる属性値をあげて、なるべく範囲の広いやつをつける。
この戦い方だと範囲を一気に攻撃するというコンセプト。もう開き直って無双系のゲームにしたほうが面白かっただろうなあ。
あくまでこれは私がプレイしたらこんな感じになったという話。土嚢や草むらに隠れているより、派手に動いて敵を驚かせたり戦意喪失させたほうが楽だと思う。
好みにより土嚢にしゃがんでチマチマとライフルでヘッドショットするのもいいんじゃないかとは思う。時間かかるけど。
サイドウェポンは弾数少ないのでライフルでばかり戦えないんですけどね。狙撃銃なんて3発しか弾もってない。ロケランと同じ弾数ならロケラン選ぶわ。
サイドウェポンといえば、マシンガンという武器もあるのですが、発射音が「ペチペチペチ」という感じで滑稽なものだった。デモペチノガモットカワイイヨ。マシンガン二度と使うことはなかった。
兵種は突撃兵のキャラが好き。通常攻撃もいいダメージで扱いやすい。次がアイテムを効率よく使える支援兵。装甲兵は器用貧乏に感じ、偵察兵は手数が多いが弱い印象があった。
味方のAIは基本的に馬鹿。マニフェストで多少の改善は効くけどそれでも馬鹿。AIが操作しているアムレートを観察してるとバリバリ前衛設定にしてるのにガードしてよたよた歩いてることが多い。お前突撃兵だぞ、攻撃せんかい。
操作キャラの切り替えがとても大事。そんで爆発物祭りするのです!
どうでもいいことなんだけど、戦闘中姫様のドレスはやめてほしかった。
戦闘ミッションにかんしては、ストーリー上のものとフリーのミッション、そして遭遇戦・防衛戦がある。
フリーのミッションは要するに「これでレべルあげしてください」というもの。チャプター毎にレベル設定が違うけど同じようなミッションがよく出てくる。
ストーリーミッションだけのクリアだと、そのうちストーリーの推奨レベルに足りなくなってくる。
遭遇戦・防衛戦は戦略マップ上で帝国とユトランドの軍が争っているところに加勢しに行くというもの。この遭遇戦・防衛戦が複数同時に発生することがある。
これが複数同時に発生するという事は、一か所の援護に行ってる間に別の場所でユトランド軍が負けて、占領されることがあるってこと。これけっこう理不尽に感じた。
ストーリー上で敵が「アヴァルーネを返してもらおうか」などと語っているんだけど、その前の遭遇戦ですでにアヴァルーネは帝国の領地になってたりする。もうお返ししてるんですけど…(小声)
領地が減ると首都の店の商品が少なくなります。店で買い物なんてしなかったけど。
遭遇戦やフリーミッションでは時間経過で夜になると、ヴァルキュリアが出現する可能性があるのですが、夜になる前に終わるので出会うことはなかった。
ボス戦。
四将はそれぞれ専用の重咒機に搭乗して挑んできます。
グスタフの空中艦は、空を飛ぶだけあって遠隔攻撃や咒術じゃないと攻撃が届かない時間がある。降下してきても近接攻撃当てに行くと風圧でズルズルとノックバックされたりとやりにくい。
空を飛ぶ敵ということでやな予感があったけど、それが当たってしまった。戦闘中はとにかくイライラした。サイドアームとRP(咒術を使うためのポイント)が切れると、しばらくやれることがなくなるから。
次の四将の…名前忘れたわ。あいつの蛇は途中で回復しているのを目撃した。ただでさえボスは固いのに…。
四将最後の砦、ギルーシュの重咒機には即死級の範囲攻撃があり、初回のプレイではそれで全滅。アースバーストって技が表示されたら逃げるんやで!
このギルーシュのステージは「敵の砦まで」のステージとA班による「敵の砲台1機目の破壊」とB班による「敵の砲台2機目の破壊」にわかれていて、最後にボス戦。
ステージが無駄に長いのでやり直しはガックリきた。さらに、A班B班でわかれるので、いつも使ってないろくに成長してないサブメンバーまで出撃しなくちゃならないので、攻略が大変なのだ。
リトライ1回目。
なぜかギルーシュの咒機のHPが0なのに、いつまでたっても戦闘が終わらない。なにこれ!? バグ? バグなの?
さらにリトライ2回目。
なぜかギルーシュの咒機のHPが0なのに、いつまでたっても戦闘が終わらない。おい、これどうすんだよ。なんかやんなきゃ進まないのか? オイィ!
リトライ3回目。
ギルーシュの咒機のHPが0になると同時にクリア。上の2回はなんだったのよ。
リトライするたびに長いステージをやりなおすことになり、リトライ2回目からは敵を無視してひたすら走るゲームとなった。ダークソウルとかのRTA(リアルタイムアタック)動画なんかにある、敵の横をすり抜けて走っていくラグビーみたいなゲームになった。
あとギルーシュの咒機は戦闘スタイルを何度か変えるのですが、そのたびにカットインが挟まるので、これも微妙にイラっときた。
マクシム。
生身のくせに異様に固い。おかしいだろ、こいつも。マクシムのアレは固いってことか!?
ヴァルキュリア。
弱点属性のチェンジ、多彩な攻撃方法と、このゲームのボスキャラでは一番楽しいボスだったりする。
マクシム同様、固いけどね。おっぱいが固いのは納得できない。
グレネードとロケランが普通にダメージ通る。
細かい不満。
咒機に関して。
戦闘訓練で、敵から鹵獲した咒機(バジルが改良した)と戦うシーンがあるわけで。
絶対、中盤から咒機兵のキャラクターが追加になると思っていたのですが、そんなものはなかった。
それどころかユトランド軍で咒機を開発して実戦配備とかそういう流れがあると思ったのですが、そんなこともなかった。
戦ヴァルで戦車兵がいた(主人公)ので蒼ヴァルでもそれに相当するキャラが出ると思ったのですが…。
100点満点で50点。
世間での評価がクソミソなのは戦場のヴァルキュリアのリブート作品であるからだと思われる。新規タイトルのゲームならここまでは叩かれなかっただろう。
戦ヴァルのあの戦闘システムはとても面白かった。あれを無くして作ったのがこのシステムだもんだから非難轟々なわけで。
まあ普通のアクションRPGとして見ても、戦闘システムはよろしくない部類。攻撃の待機時間ありで待機中は回避やガードを無限にできるとかそういうのじゃなくて、スタミナ制にしてその範囲で自由に行動できる。それくらいにしてはじめて普通レベルに楽しめるのがアクションRPGというジャンルだと思う。
私は早めに爆発物バカゲーと割り切って暴れまわるプレイスタイルで遊んだから、そこまでつまらないとは言わない。
良い部分でも書いたけど、ストーリーはまあまあ良かったと思うし。
ヴァルキュリアではなく、あくまで死神キャラとしてタイトルから「ヴァルキュリア」をとっぱらっちゃえばここまで叩かれなかったと思う。蒼き革命の死神。それでも駄作認定はされたと思うけどね。
ヴァルキュリアシリーズでないと売れないだろうからそうしたんだろうけど。だったら戦闘システムをここまで崩さずに、戦ヴァルの改良・発展系を考えれば良かったのに。
開発陣は戦場のヴァルキュリアがなぜ高い評価を受けていたのか、ちゃんと理解していたんだろうか?
ヴァルキュリアシリーズの黒歴史…いや蒼歴史かな。蒼ヴァルの次回作はなさそう。
次があったとしても、戦ヴァルの改良型になるでしょうね。…もどして!