※辛口です。
マーダード 魂の呼ぶ声をクリア。
サスペンスホラーゲーム…だと思われる。
簡単なあらすじ。
セイラム市の刑事ロナン・オコナーは連続少女殺人犯"ベル・キラー"の捜査中に、犯人らしき人物と対決する。
が、人間離れした力を持つ犯人に敵わず殺害されてしまう。
未練を残したロナンは幽霊になってしまい成仏するためにやり残したこと、ベル・キラー事件の解決のために幽霊の体と幽霊ならでは能力を駆使して捜査を続ける…。
たった一晩の出来事である。
100点満点で45点。
微妙だった…。
幽霊刑事というアイデアは良い。
幽霊ならではの立ち位置。普通の人には見えない、壁をすり抜ける、人に乗り移って心を読む、ポルターガイストを起こす、ネコに乗り移って狭い場所を進む、短距離テレポートなどの幽霊としての基本能力。
ロナン独自の集めた証拠+推理で可能になるフラッシュバック現象(いわゆるサイコメトリー) このフラッシュバックがストーリー的にも肝心要。
一方で、建物の出入りに制限がある、物に触れない、常人とは会話もできないなどのデメリットもある。物を動かすためにポルターガイストを起こしたりする必要があり。
悪霊とのスニーキングバトルもある。
他に良かった部分はローカライズの日本語吹き替えが良かったこと。
特に主人公の山寺宏一さんは安心して聞いていられる。
あとは最終局面における真犯人の邪悪な笑い。序盤で真犯人と初めて会った時には「ああ、また洋ゲー的ブサ女子か…」みたいに思ったのですが、終盤ではそのブサ具合にあの表情がミックスされてホントに邪悪な笑みに見えた。
なにが微妙だったのか。
肝心なストーリーがまずく感じた。
異能な主人公に対して犯人も異能。能力で他者を操って殺人を行っているというわけなので、まじめな推理モノだと思ってプレイすると肩透かしをくらいます。
私は幽霊になった主人公が、手掛かりを残さない知能犯を幽霊の能力で探って追い詰めていくというものを予想していたのですが、犯人も異能の力を使っているのは予想外でした。
しかもたった一晩の出来事なので、ストーリー自体のボリュームも少ない。相棒的な立ち位置の女の子との交流イベントとか、一晩での決着と言わずにもっとボリューム増やしてやれたと思うんですけどね。
幽霊という事でホラー要素を期待するとこれまた肩透かしをくらいます。怖いと感じたシーンはありませんでした。題材の一つとしてセイラム魔女裁判(詳細はWikiなどで)があるので、胸糞悪い殺人シーンばかりですけどね。
主人公の過去話とか生前の人間関係の話とか思わせぶりにチラつかせてきますが、それをよく知るにはサイドクエストという名の収集物を集めないと理解できません。人間ドラマを期待すると肩透かしをくらいます。その収集物が多すぎる。
むろんこれは私の感想にすぎないので、異能対決モノのお話やドラマが好きな方には面白く感じるかもしれませんし、収集物集めにやりがいを感じるプレイヤーはツボにはまるかもしれません。
ストーリー以外の部分。
メインとは違う、成仏出来ない霊のお願いを聞いて未練や死因を調査するミニストーリー(このゲームだとサブクエストは収集品の事なのでこういう表現を使います)があるのですが、序盤で四件しか発見できませんでした。
それ以外に中盤とかにも、未練残した思わせぶりな発言をする霊が何体もいるのですが、ミニストーリーは発生せず。
これは私の憶測にすぎませんがメインストーリーがボリューム不足なため、本当はもっとミニストーリーをいれたかったんだけど、なんらかの理由でボツになったんじゃないかと。
ボリューム不足をごまかすために増えたのは収集品です。
バグ。
幽霊じゃなくて生身の市民が壁を抜けて歩いていくことがあったww
良くも悪くもない部分。
悪霊とのスニーキングバトル。
悪霊の背後からこっそり近づいてQTE(受付時間長い)で浄化。
見つかってしまった場合は、近くの避難可能な霊気のたまり場みたいなところに隠れて、探しにきた悪霊に見つからないように隠れ場所を転々と移動してやりすごす、というもの。もしくはカラスの霊を利用して混乱させる。
悪霊の種類によってなにかスキルを持ってるとかそういわけではなく、すべての悪霊でやることは同じで単調。
他のゲームならここはマイナスポイントになるのですが、このゲームに限っては…。
ストーリーを追っていくだけのゲームにはこれくらいの出来でもいいアクセントにはなるので。
ストーリー上で人間に対する憑依アクションをもっとやらせてほしかった。
敵方の霊は憑依で人間離れしたアクションをやってのける(人間を軽く放り投げる、素手で大量虐殺など)ので、それに対抗してこちらも…ってゲームが変わってしまうか。
街の人間に乗り移って適当に思考を読むのは本音と建て前みたいなもので面白くはあるのですが、メインストーリーでもっと活かせなかったのかと。