L.A.ノワールをクリアしたので感想をまとめます。
あくまで私個人の感想です。
100点満点の個人採点で45点です。見た目は良いのですが、中身が微妙でした。
http://member.blogpeople.net/tback/00270 今回はこちらのTVGame People様にトラックバックさせていただきました。
●良かった部分
グラフィックと、人物の描写。特に表情の変化などがすごい細かい。(15点)
車を自由に拝借して、ロスを好きに走り回れること。(3点)
リトライ可能なアクション操作。路上犯罪は現場のすぐ側からリトライできる。(5点)
第二次大戦後のアメリカの雰囲気、人の心情や立場をよく表現している。雰囲気はとても良い。(10点)
手がかり、証拠品の側に近づくとコントローラーが振動するのでわかりやすいこと。
周囲に手がかりがなくなると音楽が止むこと。延々と探し続けたりするということがない。(3点)
直感システム。選択肢をひとつ消すなどのヒントを与えるが、回数制限もありバランスブレイカーではないこと。(7点)
メイン事件のアクション(容疑者の追跡など)は何度か失敗すると、スキップ可能。推理モノとして楽しみたいプレイヤーも安心(2点)
●普通(評価外)
原因がわからないので悪いとはしませんが、PS3の排気音がすさまじい。
ブオオオオー! って感じで、背面から生暖かい空気を排出しております。
PS3のゲームはそこそこ遊んでいますが、ここまで排気音がすごいゲームは初めて。
節電のためにエアコンなしで遊んでいるせいかもしれませんし、我が家のPS3の型が2009年春購入HD80GBタイプの古めのせいかもしれません。
このソフトのハイクオリティなグラフィック表示に、PS3の性能が限界気味でCPU大発熱して冷却ファンがフル稼働しているのかもしれません。
でもここまで騒音を発するのは初めてなので、ちょっとびっくりです。
音楽。ミステリーっぽい音楽やカーラジオなどそこそこ楽しめます。
相棒に運転を頼めること。
電話が必要なときは、電話マークがマップに表示されるのがわかりやすい。
コールさんの日本リスペクト。時代的にはまだ敵国の印象が強かったはず。
●悪かった部分&次回作改善の要望
ローカライズ。
字幕だとキャラクターの表情や挙動を完全に楽しめない。せっかく表情がよい出来なのに残念。
運転中にいきなり相棒との会話がはじまるのも困る。接触事故なんか評価に繋がるので、字幕見ながら運転は無理。
以前にも書いたけど、吹き替えも入れて言語選択できるようにしてほしかった。(-5点)
車の運転、特にバック操作。
バック操作になるとカメラが切り替わり、左右の操作が真逆になるので事故の元。操作しにくい、最後まで慣れなかった。
犯人追跡で失敗するのは大体「なにかに衝突してストップ→バック操作ミス→その間に逃げられる」の流れ。
相棒に運転任せると路上犯罪が発生しないというジレンマ。(-5点)
不要なアクション。
殺人課の感想でも触れたけど、「直進で走るだけの脱出アクション」や「迷路」や「タール沼の上をスムーズに歩く」などは正直いらないアクションだった。タール歩きは、直後のイベントで舟使ってるしね。
そういう細かいアクション操作はいらない。テンポを悪くしている。(-3点)
もっさり戦闘。
格闘、銃撃共に戦闘はややモッサリ。
派手に撃ち合うのがメインではなく、推理モノに偏ったがゆえか戦闘アクションは微妙。格闘はもっと身軽な動きをさせたい。
銃撃ではカバー周り込みとかトロすぎ。ほかの海外TPSをやってるとモッサリに感じられます。(-5点)
証拠品を拾って傾けたりひっくり返して注目点を調べる部分。
これも不要な場面が多い。指輪を拾ったら刻印くらい見るし、怪しい靴を拾ったらサイズくらい普通にチェックしますよ。わざわざ傾けてやることじゃないと思った。鉛筆でメモ用紙のペン跡を浮かび上がらせるのもね。(-5点)
ミスをするとおかしくなる事件。
尋問に失敗して情報を引き出せなくても手がかりを見逃しても、かまわずにストーリーは進んでいきます。
その状況で結末までいくと、なにがなにやら話が繋がらなくなることがあります。
例えば初回感想の時に書いた事件みたいになります(金銭がらみの殺人だと思っていたら、証拠を見逃していて最後の尋問で突然人種差別の問題だと判明した)
プレイヤーは知らないこと(ミスで見逃した)を主人公や相棒が勝手に尋問相手にしゃべりはじめて、勝手に進んでいくのでポカーンです。
犯人を告発する最後の尋問は、失敗しても解決するまで強制的にリトライさせられます。
このあたりはもう少し煮詰められなかったのかと。(-10点)
事件とストーリー。
殺人課から一つ一つの事件が独立したものではなく他の事件とも関わるようになっており、風紀課からは主人公の軍隊時代の関係者が…。
という風に、事件一つ一つとメインストーリーが繋がっているわけですが。
そのおかげで、盛大な誤認逮捕が発生する(これでも捜査の評価☆5とかつく)し、「決定的にコイツが犯人だ!」っていう確信もなかなか持てない。
メインストーリーと事件を無理やりつなげたせいで、スッキリしない事件解決が多くて徐々にフラストレーションが溜まっていった。(-5点)
電話。毎回「フェルプス 1247」と名乗るのは省略できないものか。(-2点)
箱庭、いわゆるオープンワールドなのに行ける場所・楽しめるモノがほとんどない。それでこの広さは無駄としか言えない。(-10点)
最後の部署での主人公交替。(-5点)
●まとめ
60年以上前の米国刑事になりきって楽しむ作品で、当時の捜査とロスの雰囲気を味わうにはとても良いゲーム。
だけど、基本的に"それだけ"な作品。もっかい書くけど、雰囲気モノとしては良いと思う。
それをオープンワールドもどきにしちゃったのが良くなかったんじゃないかな。
"悪い部分"で書いた、尋問ミスでのストーリーがおかしくなる件で、推理モノとしては微妙な作品。戦闘アクションも微妙にモッサリ。
プレイスポット的な"遊べる"場所がほとんど無く、事件関係の場所にしか基本的に行けない。広すぎて移動に時間がかかる。
相棒に運転してもらえば一瞬だが、サブミッションの路上犯罪は自分で運転しないと発生しない。
オープンワールドである必要がまったくないんです。大戦後のロスの雰囲気を味わうためだけのオープンワールドです。雰囲気はいいんですけど、箱庭ゲームとしてはスカスカです。
ロスの町並みに力を注いで、遊べるところを作る余裕が無かったんでしょうか。というか、そもそもシリアスな刑事モノで遊べる場所とか要らないですね。
オープンワールドにする労力を削って、もっとメインシナリオやサブミッションを見直し、もっとまともな推理ゲームとして追及したほうが良いものができたのではないでしょうか。
同日に発売になったインファマス2みたいに、カルマで"善の刑事"と"過激派刑事"みたいに枝分かれするようなゲームだったらまだ味があったかもしれません。
もしくは、このグラフィック・雰囲気で逆転裁判のゲームシステムにしてしまうか。想像するとすごい面白そうなんですけど。
と、なんだか延々と酷評するような感想になってしまいましたが、雰囲気ゲームとしては良いです。…それだけですけど。
せっかくの箱庭がスカスカ、推理(ミスすると)もアクションも微妙だったがゆえに、突込みが多くなってしまいました。
結構期待していただけに、がっかりな作品でした。希望小売価格もね(苦笑)